Tagebuch des Schulenleben und der Pruefungsvermerke

ご注意

このページは、西暦 2000 年問題不対応(非対応にあらず)です。 2000 年の記事は 1999 年の記事の後ろにありますのでご注意下さい。


99.12.16 ゼミ発表成功

今回の立花ゼミの発表では、前回(実験演習)の反省をふまえ、 読む記事に一通り目を通してから「これに決めた」と判断し、 かつ、完全な形の原稿を用意。

読んだ記事は、

E. J. Gibson & R. D. Walk: “The ‘Visual Cliff’”, Scientific American 1960 年 4 月号または 5 月号 (202 巻 4 号または 5 号;どちらかなのだがメモ紛失)、 pp.64-71.
である。 原稿は早口で読み上げると 40〜50 分なのだが、 実際に OHP や黒板を使って説明しながらだと 70 分程度。 持ち時間は質疑応答まで含めて 100 分で、しかも開始は 10 分遅れだったので、ちょうど時間におさまって、定刻の 10 分前に解散。

99.12.02 体操着がない

先週は 3 限のスポーツ・トレーニングをサボってしまったので今日こそは出席せねば…と思ったが、体操着が見当たらない。

仕方がない、予備のものを使うか…とも思ったが、 明日がレポートの締め切りなので、面倒くさいからサボってしまえ。

(後日注)じつは、以前の木曜日(11/18?) のスポーツのあとで行った教室に置き忘れていたのでした。


99.11.25 ゼミ発表失敗

本日は、必修「心理学実験演習 II・III」の文献購読課題の日である。 読む文献は、PubMed で特定のキーワード(今回は「spatial frequency [all] orientation [all] adaptation[all]」で、要するに、本文中にこの 3 つのキーワードをすべて含むものを探すのである) にヒットしたものから自由に選ぶというもので、私が選んだのは、

Larsen J. D. and Goldstein B. A. (1994): “Selective adaptation to low spatial frequencies does not decrease the Mueller-Lyer Illusion”, Perceptual and Motor Skills, 78, p339-347.
である。

が、これが大失敗。何が悪いかというと、使い古されたギャグだが内容が無いようの一言につきる。この論文の中身は要するに 「Carrasco という人がやった実験を再現しましたが、 同じ結果は出ませんでした。すこし条件を変えてやってみましたが、 それでも結果は出ませんでした。もうすこし暗くしてみたら結果が出るかもしれないんだけど…」ということであるが、 結果が何も出ていない以上、ここからは何も言うことはできないし、 結果が出るかもしれないというのならちゃんと実験しろよと言いたくなる。じつは私は、「元の実験ではこういうポカをやっていて、 そのせいでこんな変な結果が出たんです」といった discussion を期待したのだが、そういったことは全く書いていなかったのである。担当の TA さん(teaching assistant; 要するに院生の方です) いわく、心理学科の卒論以下のレベルだそうである。

というわけで、もし現在心理学科の 2 年生でこれを読んでいるという奇特な方がいたら、はっきり言っておきます、 この論文だけは絶対に選ばないように

ひょっとしたら、この Perceptual and Motor Skills という雑誌自体も、判断がつかなければやめた方がいいかもしれない。 (というのは、その TA さんいわく、少なくとも perceptual な話題に関しては、Vision Research のような定評ある雑誌と比べるとだいぶ質が劣るのだそうである。 (ただし、motor skills の話に関しては、 ほかにいい雑誌があまりないので、結構いい記事があるんだそうである。)

99.11.02 成績表配布

99.10.14 スポーツは政二先生

99.10.07 休講 2 連発

2 限、理・情報「知能システム論」は寝ブッチ。 文・一般「人工知能と自然言語処理」との重なりがどれだけあるか確認せねば

3 限、養「スポーツ・トレーニング」、開講は来週。

4 限、文・言語「意味論」教官アフリカ出張のため開講は来週。 …「教養 4 学期と共通」なのでそのせいもあるか。 結局 5 限のゼミだけじゃないか。


99.09.30 立花ゼミ、ドタキャン

学期末なので、授業があるのは、通年科目である 5 限のゼミだけである。 が、研究室の掲示板を見に行くと休講になっている。 別の授業の補講とかぶったので急遽やすみになったらしい。

…せっかく来たのに。

99.09.29 理・情報「オペレーティングシステム」試験

本来の日程なら 9/15 のはずだったが、 とうぜん休日なので延び延びになっていた試験である。
オペレーティングシステム試験問題
1999.9.29
益田隆司
  1. 以下について説明せよ。
    1. 多重プログラミングを実現するのに必要なハードウェア機能
    2. プログラムとプロセスの違い
    3. ユーザレベルスレッドとカーネルレベルスレッドの違い
    4. デッドロックとスターベイション
    5. システム性能評価の方法

  2. binary semaphore を用いて、 general semaphore を実現するプログラムを書け。

  3. 仮想計算機システム(virtual machine system)は、1 台の計算機で、 その計算機の機能的コピー(virtual machine) を複数個提供するシステムである。それぞれの仮想計算機のもとでは独立にオペレーティングシステムが動作する。 各仮想計算機内のオペレーティングシステムは、特権モードで動作する仮想計算機システム全体を制御するソフトウェア (仮想計算機モニタとよぶ)のもとで動作するために、 非特権モードで動作しなければならない。次の問に答えよ。
    1. 仮想計算機モニタの機能を述べよ。
    2. 仮想計算機システムの必要性を述べよ。

  4. 固定の割当てページ数のもとでのページ置換えアルゴリズムについて、 以下の問に答えよ。
    1. ページ参照列 1 2 3 4 1 2 5 1 2 3 4 5 を用いて、 FIFO anomaly を説明せよ。
    2. LRU アルゴリズムでは、 このような現象は発生しないことを説明せよ。
    3. あるページ参照列に FIFO、LRU、OPT アルゴリズムのそれぞれを適用して、n 種類の割当てページ枠数に対するページフォールト数を求めたい。 できるだけ効率よく結果を求めるためには、 それぞれのページ置換えアルゴリズムに対して、 ページ参照列を何回スキャンすればよいかを、 その求め方とともに述べよ。

  5. ワーキングセット法とグローバル LRU 法について以下の問に答えよ。
    1. それぞれについて説明し、その特徴について述べよ。
    2. 参照ビットを用いて、 ワーキングセット法を実現する方式について述べよ。
1. は a〜d に完答。e は白紙回答だったが、教科書に書いてあるとのこと。

2. は完答。Binary semaphore をカウンタの排他制御に用いる。 ただし注意点があって、P(n) の中で n が非負になるのを待っているときには、ロックしたままで待っていても、 その間に呼び出された V(n ) が n にアクセスすることができない。つまり正解は C++ で書くとこうなる:

void P(boolean& b );
void V(boolean& b );

static boolean b = false;

void P(int& n )
{
  while (1)
  {
    P(b );
    if (n > 0)
    {
      n --;
      V(b );
      return;
    }
    V(b );
    idle();
  }
}

void V(int& n )
{
  P(b );
  n ++;
  V(b );
}
まあ、86 なら lock dec [n] という荒技があるのだけど。

3. は授業どおり。(1)「特権モードが必要な動作とは何か」を考えると、 OS の機能の一部を代行すればよいことが分かる。 (2)は授業で説明があったとおり、OS のホットスワップが最大のメリット。 あとは「不安定な OS が落ちても平気なので、虫出しに」とか 「Windows の中で Linux と MacOS が動く」といったことかな?

4. も授業どおり。(1) は 3 枠と 4 枠とで実際に書いて page fault 数を比べればよい。(2) は、LRU では、 (3 枠のときに、ある時点でアクティブなページの集合) ⊂ (4 枠のときに、同時点でアクティブなページの集合) が常に成立するのに対し FIFO では成立しないというのがポイント。 (3) は授業どおりだが私は覚えていなかった。

5. は授業どおりらしいが私は聞いていなかった。

【まとめ】要するにすべて授業どおりである。 シケプリもあったらしいが私はもらっていなかった (前日までに理情の人をつかまえておけばよかったのだが…)。 ただし来年は教官が替わるので、あまり参考にならないかも。

99.09.28 「教育統計学I」試験

冬学期のほうに書いたのでそちらを参照。

99.09.21 「心理学概論」前期分(佐藤先生)試験

心理学概論(前半)試験問題

下の図(省略)は、光覚絶対閾(人間が見ることができるもっとも弱い光の強さ)を測る実験のデータ例である。 この実験では、あらかじめ絶対閾の概略値を求めておき、 それぞれの値の刺激をランダムな順序で数十回ずつ提示し、 被験者に「見えた」か「見えなかった」かを答えさせている。 そうした実験から、それぞれの刺激値での知覚確率を求め、 刺激値に対してプロットし、たとえば 60% の知覚確率に対応する刺激値を、 光覚絶対閾とするわけである。

問題

  1. 上で、説明したような測定方法を、「××法」と呼ぶ。
  2. 絶対閾の他に精神物理的な手法で求められる定数を二つあげよ。
  3. 上記のような方法で、閾値を求める実験の問題点を指摘し、 その問題点を改善するには(信号検出理論以外で) どのような手法を用いればよいかを述べよ。
  4. 信号検出理論とはなにか、上記のような手法で求められる閾値の問題点と関連させながら簡単に説明せよ。
  5. 時間があまったら、前期の講義の感想、要望を書いて下さい。
なお、成績評価は冬学期の立花先生のものと合算して行う。 また、来年度は高野先生・横澤先生の担当で、 内容はガラリと変わるはずである。

99.09.20 「心理学特殊講義・知識と思考」発表&レポート提出

内容紹介、レポート公開
connectionist model ではダメか 「現状ATOK有利」「コストの問題」「反例の学習」太田氏の引用

99.09.17 「ステレオタイプ化の心理学」とうとうブッチ

今日が締切だったのだが、実験、他のレポート、ゼミ発表の準備、 などが重なって、結局はブッチせざるを得なくなった。

ちなみにどういう課題だったのかというと、

教育心理学特殊講義(担当 村田光二) 1999 年度(夏)

レポート課題

【課題】以下の課題のいずれか 1 つを選択しなさい。

  1. ステレオタイプ化にかかわる心理学的問題の 1 つを取り上げて、実証研究を計画しなさい。
  2. 教育にかかわる問題の 1 つを取り上げて、 ステレオタイプ化の観点から論じなさい。

【内容の注意】

    1. 「実証研究」の方法として実験をもっとも勧めるが、 他の方法(調査、フィールドワーク等) を用いることを計画してもよい。なお、 研究実施のコストは考慮に入れる必要があるが、 レポート提出者が実施可能であることを前提とはしない。
    2. レポートには <問題> と <方法> のセクションを少なくとも含む必要がある。
    決して研究の実施を求めているわけではない。 不要にデータを取ることのないように。
    1. 学校教育だけでなく、幅広く「教育」 の問題を捉えてよい。
    2. 論じ方は任意でよいが、心理学的視点、 社会心理学的視点を含む必要がある。

【形式上の注意】 −守られていない場合は、減点の対象となる−

  1. 枚数: 2〜3 枚(2400 字〜4000 字)程度が目安。 必要充分なだけで制限はない。
  2. 文献を参考にした場合は、出典を明記しなさい。
  3. コピーを取っておくことが望ましい。

【提出方法】締切: 9/17(郵送の場合は 9/16 の消印有効)
(後略)

である。

私は B. で、コンピュータリテラシー教育の話に理系/文系ステレオタイプのことをつなげようと思っていたのだが…

99.09.16 「社会心理学概論II」試験

99.09.10〜13 「心理学特殊講義・知識と思考」ブッチできなくなる

9.09 のゼミの準備と実験のためこのレポートが遅々として進んでいない。
心理学特殊講義「知識と思考」(楠見)レポートの課題
提出期限:
9 月 20 日(月曜日)授業時 (それ以前の授業で提出してもよい)
(中略)
9 月 13 日、および 20 日に発表会をおこなう。
レポートの概要と論点を発表する (スケジュールは後で決める)。
1〜2 枚の OHP シートあるいは配付資料を用いて発表することを勧める。
枚数:
A4 おおむね 5 枚以上
内容:
  • 表紙に問題番号、学籍番号、氏名を書く。
  • 授業そして、参考文献から学んだ専門用語、理論、 データを用いて、自分の議論を展開する (授業内容を要約しただけ、 参考文献をまとめただけ、随筆では、 不十分である)[評価基準]
  • 参考文献からの引用と自分の考えは明確に区別できるように記述する。 また文献や引用データの出典(著者、書名、 出版社、出版年)は、最後に明記する。
  • 適当な段落に分け、見出しを付ける。
  • 自分が主張したい重要な箇所に赤線を引く。
  • 自分用のコピーをとって提出することを勧める。
  • 大学院生は、『心理学評論』、『心理学研究』や 『教育心理学研究』の展望欄に投稿するつもりでまとめることを勧める。
課題:
次の課題のいずれかを選択して論述しなさい。
  1. 認知心理学、認知科学の研究領域(記憶、学習、 知能、創造性、比喩、類推、意志決定、感情など) から 1 つの領域を取り上げて、 知識構造と推論の機能について論じなさい。
  2. 認知心理学、認知科学の研究領域(知識、記憶、学習、 創造性など)から 1 つの領域を取り上げて、 心理学的アプローチと他のアプローチ(工学、AI、 情報科学、ニューラルネット、哲学、倫理学、 美学、教育学などから一つ以上取り上げる) を比較対照し、その相違点、各アプローチの意義と限界、そらに、それらのアプローチの統合によって成立する普遍的理論、 モデルの可能性について論じなさい。
  3. 自分が関心をもつ知識や推論に関する認知心理学、 認知科学上の研究課題を一つ設定し、 つぎの順序にしたがって論じなさい。
    1. 課題を自分の関心に基づいて明確化する
    2. 先行研究を自分の視点からまとめる
    3. 先行研究間の関連性や不一致を指摘する
    4. 今後に残された問題とその解決方法 (実験計画を述べても良い)について、 自分の考えを論じる
9.13 に発表をするはずだったのが、仕方がないので、教官にメールして 「9.20 に延期させてくれ」と頼んでみる。ブッチ含みのつもりだったのだが、 返事に「9.20 の発表を期待しています」というお言葉をいただいてしまい、 もう後には引けなくなる。

99.09.08 「国語学特殊講義・敬語研究」レポート提出

冬学期のほうに書いたのでそちらを参照。


00.02.24 「心理学特殊講義・知覚のメカニズム」(佐藤隆夫先生) 試験問題入手

履修していないのだが、試験問題を入手したので掲載する。

1999 年度 心理学特殊講義(佐藤隆夫)

学年末試験問題

  1. 視覚研究ではサブメカニズム(チャンネル、プロセス etc.) の分離ということがしばしば行われる。 これについて概要を説明し、 具体的な研究手法を例をあげて説明しなさい。
  2. 「不良設定問題」(Ill-posed problem)とは何か、 視覚研究との関連をつけて説明しなさい。
  3. この授業を受けた感想を述べて下さい。

00.02.17 理・情報「知能システム論」試験

授業をあまりきいていなかったのでブッチも考えたが、 前日になってやっと過去問が手に入ったし、 配布されたプリントはぜんぶとってあるので、試験を受ける気になる。

まず、前年の過去問から。

  1. 縦優先探索(Depth-First Search)が、横優先探索 (Bread-First Search)に比べて持つ利点と欠点について議論せよ。 また、反復深化法(Iterative Deepening)を簡単に説明し、それが縦優先探索の欠点を補うものになっていることを説明せよ。
  2. 「サルとバナナ」(Monkey and Banana)の問題を STRIPS に解かせるための定式化を示せ。また、同じ問題を、 状態変数を含む論理で定式化する方法を簡単に説明し、 この場合に生じるフレームの問題 (Frame Problem) とはどのような問題であるかを説明せよ。
  3. 非単調な推論(Nonmonotonic Reasoning)とは何かを説明し、 この種の推論を演繹論理で捕らえる場合の意味論的な困難について議論せよ。またデフォルト推論(Default Reasoning)、属性継承階層(Inheritance Hierarchies) に基づく推論、閉世界仮説(Closed World Assumption) にもとづく推論、をそれぞれ説明し、 それらが困難に遭遇する例を示せ。
  4. アルファ-ベータ法による探索を簡単に説明し、 この探索方法が最悪、最善のパフォーマンスを示す場合はどのような場合かを説明せよ。平均分岐数が b、深さ d とした場合、 最善のパフォーマンスを示す場合のコストを示せ。
  5. 次の用語を簡潔に説明せよ。
    1. 中央系と周辺系
    2. 制約充足問題 (Constraints Satisfaction Problem)
    3. フレーム知識表現
    4. 意味ネットワーク

配布プリントにひととおり目を通してから、理・情報の学生控室へ。 ここの人は必修なので、朝早くから集まってきている。

さて、今年の問題。

(問 1)探索手法の Iterative Deepening とは何か、説明せよ。 この手法の空間的、時間的な効率を縦優先、横優先の探索手法と比較し、どのような場合に優れているかを説明せよ。

(問 2)推論系が非単調であるとはどのようなことか説明せよ。 閉世界仮説による推論、デフォールト推論、 属性継承がそれぞれどういうことかを説明し、これらがいずれも、 非単調性を示すことを簡単な例で示せ。また、 デフォールト推論における注意深い(Cautious)帰結と大胆な (Brave)帰結とは何かを説明し、その具体例を示せ。

(問 3)プランニング・システム STRIPS の動作原理を簡単に説明せよ。また、「STRIPS は、 相互干渉する副目標がある場合に無駄のある計画を作り出す」 という。副目標が相互干渉するとはどういうことかを説明し、 無駄な計画の生成を阻止する方策について論じよ。

(問 4)A、B、C いずれかを選んで、答えよ。

  1. 人工知能研究における表象主義とは、どのような立場か? 表象主義的な立場が出てきた由来を説明せよ。 また、表象主義への可能な批判とその反論を考えよ。
  2. 人工知能研究における記号論理の役割を説明せよ。記号論理を使った人工知能への可能な批判とその反論を考えよ。
  3. 人工知能におけるフレーム問題とは何か? この問題を議論する意義はあるか? あるとすれば、 なぜかを説明せよ。ないとすれば、なぜかを説明せよ。

(問 5)2 値の目標属性の値を予測するための方法として決定木がある。決定木の各中間ノードでは、 正レコードと負レコードを分割するためにテストを使う。 テストの良否を判断する評価関数を述べ、 その関数が良否を判断するために望ましい性質を持っていることを示せ。

問 1・4 は完答。問 2・3 は前半+αのみ。問 5 は、妥当性が高いのは χ2 だがそれを最大化するのは大変なのでエントロピーで代用すべきことは書いたが、私はこのへんの授業は 1 科目だけで履修しているので、そもそもエントロピーの意味がわかっていない(^^;)

00.02.14 (1) 卒論発表会

朝から夕方までかけて、学科の 4 年生の卒論発表会。

あんまり自分には興味のないテーマが多かったので退屈だったのだが、 わかったこと。「なあんだ、卒論ってのはこんなレベルでいいのか」 というのがひとつ。もうひとつが、それでも、 まじめにやったら大変な仕事になりそうだな、ということ。

夕方からは卒業記念コンパ。

00.02.14 (2) 「言語学特殊講義・意味論」ブッチ

この科目の成績評価はレポートである。

「きざむ」という言葉の意味を記述せよ。

まじめに書こうかと思ったのだが、この言葉にはいろいろな意味があってめんどくさい。「野菜をきざむ」「時を刻む」「石に字を刻む」etc. 面倒な上に気力がないので、結局ブッチ。

00.02.07〜02.09 試験集中日

この 3 日間が、私にとっての期末試験大集中期間である。

02.07(月)5 限、「心理学特殊講義 認知・記憶研究とその応用」。 要するに、記憶に関するいろいろな基礎研究と、 「犯罪の目撃証言は信用できるのか、 どうすれば証言の信憑性を高められるのか」 「どういう広告をすれば消費者の記憶に残りやすいのか」 といった応用研究との連携を探ろう、というテーマである。

(これから入れる)

4. は前ばらし問題で、この部分の点数は 60 点程度である。 1.〜3. は、「授業で取り上げたトピックについての簡単な記述問題」 とだけ予告されていた問題だが、同時に、この部分の 「成績が極端に悪い場合、授業にあまり出ていないものと見なし」 4. にかかわらず不合格とする、とも予告されていたものである。

いちおう 1〜3 は何とか書けた。4. は「認知カウンセリング」 をネタにいちおう書いたが、さてそれで通用するかどうか。


02.08(火)まず 2 限、長谷川眞理子先生。

社会心理学特殊講義 進化的社会心理学 試験問題

教官名 長谷川眞理子

  1. 次の各問について、現代進化生物学に基づいて説明せよ。
    1. 進化とはなにか?
    2. 適応とはなにか?
    3. 自然淘汰とはどのようなプロセスか?
    4. 性淘汰とはどのようなプロセスが?
  2. 人は、合理的な理由がないと思われるような場合でも、 周囲にする他人の言うことやすることに簡単に同調する傾向があることがよく知られており、 それを示す実験も数多く存在する。 「同調」という傾向は、果たして適応なのだろうか? 適応と考えられるか、考えられないか、 どのようなシナリオが考えられるか、考察せよ。
撃沈。ここで言っている「適応」という言葉の意味がわからない。 独習用として指定されたテキスト (長谷川眞理子『進化とはなんだろうか』岩波ジュニア新書、1999) をひととおり読んでおけば雑作もない問題だということは明らかなのだが、 読まないで書けるはずがない。 大学の図書館にも近くの本屋にもなかったので、面倒くさいや、 と思って読まなかったのが裏目に出た。

(後日注)それでも単位は来ていた。「可」だった。


3 限、心理学概論。必修科目(つまり、落としたら来年とりなおし) のうえ、立花先生は試験問題が難しい(採点は甘いらしいが) ともっぱらのうわさなので、みんな真剣である。

試験問題

2000 年 2 月 8 日実施

平成 11 年度(冬学期)
心理学概論
科目番号 94103
通年 4 単位
担当教官 立花政夫

  1. 以下の各設問に付きそれぞれ解答用紙 1 頁(裏も可) を使って答えよ。
    1. 脳の活動を非観血的に観測する方法を 3 つ以上列挙し、 それらの特徴を述べよ。
    2. H. Ebbinghaus と F. Bartlett の研究について、 その相違点を述べよ。
  2. 以下の用語から 4 つ選び、 それぞれ解答用紙半頁程度で説明せよ。
    1. learned helplessness
    2. habituation
    3. serial position effect
    4. corpus callosum
    5. long-term potentiation
    6. self-stimulation
    7. chunk

以 上

思っていたほど難しい問題ではない。が、A-2 は落としたし、 B では英語と邦訳との対応がついていない単語が多いので不安が残る (serial position effect と chunk はまあ自分の専門に近いエリアだし、 何度も何度も実験のインストラクションなどで聞いていることなので、 とうぜん知っているのだが、あとはちょっと、ね)。

成績評価は、夏学期の佐藤先生の試験と合算して行う。

なお、来年度の「心理学概論」担当は高野先生・横沢先生なので、 これは役に立たないかも知れない。


4 限、「教育統計学 II」(渡部洋先生)。 この先生の問題は非常に特徴的である。 問題用紙に書き込む形式なのでいま手元にはないのだが、たとえば

期待値 3、分散 16 の正規分布に従う確率変数 X が 10 以上になる確率は、
  (   ) (1) 0.038
  (   ) (2) 0.040
  (   ) (3) 0.117
  (   ) (4) 0.225
といった形で出る。すべてこの形の 4 択問題。 普通なら括弧の中にどれかひとつ○をつけるのだが、これはそうではない。 どれが正しいと思うか、主観確率を書くのである。 つまり、「80% の確率で (2)、20% の確率で (1)」なら、 (1) の脇に「0.20」、(2) の脇に「0.80」と書くのである。 残りのふたつには当然ゼロと書き込む。

配点は、冬学期の試験では明示されていなかったが、夏学期の試験では、 各問につき

正解に投資した額×3 点 − 不正解に投資した総額×1 点
がであった。つまり今回の場合、正解は (2) である(z = (X - 3)/4 で、X = 10 のとき z = 1.75 なので、 問題と一緒に配布された正規分布表で z = 1.75 をひくと .960 と書いてある)ので、0.80×3 - (0.20+0+0) = 2.20 点である。

5 限、「心理学特殊講義・思考の歪み」(高野陽太郎先生)。 試験範囲は、

であるが、テキストを読み終えたのが当日の朝である。 なお、下では 80 点満点とあるが、残りの 20 点は平常点 (レポート+ふだんの発言)である。

学年末試験問題
平成 11 年度 心理学特殊講義「思考の歪み」

平成 12 年 2 月 8 日実施 ノート等参照不可 80 点満点
午後 6 時 30 分まで (解答が終わった受講生はいつでも退室して差し支えない)

*** 注意 ***

[1](20 点)
 授業では、邦訳書で「アイヒマン実験」と呼ばれた Milgram の服従実験を紹介しました。右の記事(省略: ホロコーストの責任者アイヒマン中佐の記録映画「スペシャリスト」 を監督した、Eyal Sivan 氏の記事)は、今年の 1 月 29 日、 朝日新聞に掲載されたものです。この記事を読んで、 シバン氏の見解を基本的帰属錯誤(対応バイアス) の観点から説明してください。

[2](30 点)
 授業では、「日本人は集団主義的、アメリカ人は個人主義的」 という日本人論の通説は事実を正しく反映していない、 という話をしました。この誤った説がなぜ成立し、 なぜ広く支持されるようになったのか、基本的帰属錯誤 (対応バイアス)と確証バイアスを組み合わせて、 授業で行った解説に沿って、説明をしてみてください。
 なお、「基本的帰属錯誤」と「確証バイアス」の簡単な (1 文程度の)定義を必ず入れてください。

[3](各 15 点 計 30 点)
 以下の用語は、いずれも『人間この信じやすきもの』 に出てくるものです。この中から 2 つを選んで、 その意味を説明してください。

  1. 総意誤認効果
  2. 回帰効果
  3. 我田引水的信念
  4. セルフ・ハンディキャッピング
  5. バーナム効果

いちおう完答。[1] がちょっと書きにくい。

「基本的帰属錯誤(対応バイアス)」というのは、 ある人や集団の行動の原因を説明するときに、「状況に押された」という説明よりも 「本人がそういう人だからだ」という説明がされやすい、ということである。

たとえば、授業で出てきた内容では、「日本人=集団主義的」 というレッテルの大きな原動力となった高度成長期の日本人の行動は、 じつは、欧米の経済力の脅威という状況に適応した結果と解釈するのが合理的であるのに、こういう錯誤が起こるせいで、 日本人がそういう国民性を持っていたと解釈されてしまうのである。

実のところ、私自身でもこういうバイアスのかかっていると思われる事例はいくつか知っている (詳しくはプロフィール参照)ので、 この話を聞いた感想は、驚いたというよりも 「なるほどそういう研究がすでにあるのか」という感じだった。


02.09(水)2 限、教育学部「身体教育学特殊講義 救急救命学」。

一般的な救命救急講習とはちょっと違って、 小さな子供の急病や怪我への対処がメイン。 心肺蘇生実習も赤ん坊の人形でだった。 (成人のダミーでの実習は教習所とかでやるだろうから省略、 とのことらしい。)

テストは問題用紙に書き込む形だったので残っていないのだが、 心肺蘇生法の手順を示したフローチャートの穴埋め(10 点)と、 基本的な○×問題、たとえば、「子供が下痢を起こしたときは、 下痢を止めるため水分摂取を控えさせる。○か×か」といった問題が 20 問 (20 点)。ちなみにこの問題の正解は×(脱水症を防ぐため水分はたくさん摂るべし)。

なお、評価方法は

であるから、出席点を確保しておけば楽勝。 逆に、出席が最低 5 回ないと、どうあがいても単位は無理。


5 限、「国語学特殊講義・敬語表現」レポート提出。

このレポートは、ある特定の種類の表現が使われている事例を集めてくる、 というもので、たとえば、「謙譲語の形式が尊敬語の意図で使われている事例を 10 例」「『〜させていただきます』という形の宣言表現の事例を 5 例」といった具合で、たくさんある中から 2 題を選択である。 今回の私の選択は

である。

夏学期は「謙譲語と尊敬語の混同」を選んだので、 goo で「ご利用する」 というキーワードで検索して、各種約款類や電話帳にそういう事例が多いということがわかったのでそれを切り貼りしたのであるが、 今回のターゲットはひたすら漫画である。 気がついたらぜんぶ漫画からの切り貼り。


付録(東大の外の方へ)本文で使われている東大用語解説

ブッチ
「切る」の意。授業・試験を欠席することや、 単位取得を放棄することをいう。 寝坊による場合は特に寝ブッチという。
ドラ
不可点。教養学部では不可点の時に成績表に 「D」がつくことからこの名がある。 追試でも不可になることを裏ドラという。

Copyright © IIJIMA Hiromitsu aka Delmonta, 2016/03/10 15:09 JST
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