韓国語をコンピュータで扱うためには、 何はともあれ韓国語のフォントと IME を入れる必要があります。 とくにフォントは、 単に市販の韓国語フォントを入れるだけではダメで、 少なくともひとつ、Microsoft 純正のフォントが必要になります。
これは、フォント自体のほかに、Microsoft が配布している、
拡張子 .nls
の設定ファイルが必要になるためです。
(EUC-KR と Unicode の変換表です。
「コードページファイル」と言います。)
まず、Windows XP や Windows Server 2003 の場合、 OS に最初から韓国語のフォントと IME がついてきます。
フォントのほうはデフォルトでインストールされていますので、 IE では何も考えずに韓国語のページを見ることができます。 ただ、IME は標準ではインストールされませんので、 追加インストールする必要があります。
『韓国語ジャーナル』2002 年 1 号によると、Administrator でログオンして、 コントロールパネル → [日付、時刻、地域と言語のオプション] → ほかの言語を追加する → 言語 → 詳細 → 詳細 → インストールされているサービス → 追加 とたどっていけばいいと書いてあります。
ただ、手元の環境では手順が微妙に異なっていて、そちらでは、 コントロールパネル → [地域と言語のオプション]→ 言語 → 詳細 とたどり、その先は上記のとおりとなりました。
さて、Windows 2000/Me までのユーザーで、Office XP(Word/Excel 2002)を使用している人は要注意です。次項で述べるように Windows Update で韓国語 IME(Global IME 5.02 for Korean)をインストールしても、 動作しないそうです。
Microsoft のホームページで検索したところ、Global IME for Office XP というものがあるそうですので、 こちらをインストールするようにしてください。 なお、フォントについても、Windows Update で入手できるものの代わりに、 Office XP 用の韓国語フォント(Korean Language Pack)を IME と同時にダウンロード・インストールして、これを使うことができます。
Windows 95/98/Me/NT4 のユーザーの場合、韓国語のフォントと IME は標準では入っていませんので、あとから追加してインストールする必要があります。Windows 2000 にはフォントはついてきます (コントロールパネル→地域のオプション、でインストールしてください) が、IME は別途インストールしたほうがいいでしょう。
いちばん簡単なのは、Windows Update からインストールする方法です。 Windows Update のサイトから、「韓国語サポート」 (こちらがフォントです)と「韓国語 IME」をインストールしてください。
なお、Office XP ユーザーの場合、「韓国語 IME」 をインストールしても動作しませんので、上述の方法で Global IME for Office XP をインストールしてください。 IE 用の韓国語サポートは利用できますが、できれば Office XP 用の Korean Language Pack をインストールするほうがいいでしょう。
細い回線しかない場合に複数のマシンにインストールする場合、 いちいち Windows Update でインストールするのは面倒です。 もしくは、マシンにインストールされている IE が現在ではサポートされていない古いバージョンで、 Windows Update が使えない、という場合もあるでしょう。
こういった場合、 Windows Update のページ以外からインストールすることができます。
ひとつ目の方法は、このページからダウンロードする方法です。「with Language Pack」 と書いてあるのがフォントつきのもの、「with Lanugage Pack」 がないのがフォントなしのものです。
もうひとつの方法は、IE の入った CD-ROM からフォントと IME だけをインストールする方法です。 こちらを参照してください。
以上で述べた方法で韓国語のフォントと IME をインストールすれば、 韓国語の表示も入力もすることができます。 しかし、そのほかにも入れておきたいソフトがあります。
IE や Netscape 6 では、 日本語フォントと韓国語フォントが入っていれば、 Unicode の web ページを開いた際に、日本語の文字は日本語フォントで、 ハングル文字は韓国語フォントで表示してくれます。 しかし、Netscape 4.7 や秀丸エディタなどでは、 Unicode の文字列を表示する際に、 ひとつのフォントに入っている文字だけしか同時に表示できません。 そういう場合のために、日本語の文字とハングル文字、中国語の簡体字などがすべて入っているフォントを入れておくといいでしょう。
こういったフォントとして一番手軽なのが、Microsoft Office 用の Arial Unicode MS です。Office XP の CD-ROM に入っているそうです。 以前は Office がなくてもダウンロードして使うことができたのですが、 いまは配布が停止されています。
ダウンロードしたファイルを当方では保管していますが、 再配布は禁止されていますので、必要な方は Office を購入してください。
余談ですが、 等幅フォントで Unicode の文字がすべて入ったものは用意されていません。 これは、たとえば漢字圏ではギリシャ・ロシア文字は全角で表現しますが、 本場ギリシャ・ロシアでは半角英数字と同じ幅で表現するというように、 国によって文字に関する事情が異なり、世界共通用として用意するフォントでこの問題を解決するのは難しいからと思われます。
Microsoft の用意するフォントの他に、 NACSIS-UCS フォントというものもありますが、 残念ながらこちらも、手軽にダウンロードはできないようです。
この他に、Kajero Editor というテキストエディタをいれておくと便利です。
序講で述べたように、KS C5601 文字集合には漢字やひらがな・カタカナが入っていますので、 EUC-KR では日韓混在文が書けます。 しかしながら、KS C5601 に入っている漢字は旧字体で、 日本で現在使われている新字体とは別字とされていますので、 Outlook Express などで日本語 IME を使って新字体の漢字を入力しても、 「EUC-KR にはそんな文字はない」ということで、エラーになったり、 「?」に置き換えられてしまったり、 最悪の場合には文字化けしたりしてしまいます。
そこで、Kajero Editor を使います。Kajero Editor には、 ハングル入力モードで日本語の文字を入力すると、 対応する韓国語の文字に自動的に置き換えてくれるという機能があります。 これを使うと、漢字は日本語式の読み方で入力し、 それを韓国語フォントに存在する旧字体に変換して、 他のソフトに切り貼りすることができます。
入手方法、詳細な使い方については、 「日本語版 Windows 上でハングルを扱う」の Kajero Editor の項目を参照してください。
Windows Update でインストールできるフォントは最小限のものです。 印刷に使いたい、という場合はもっといろいろなフォントがほしくなります。 Windows XP や Microsoft Office にはいろいろなフォントがついてくるそうですが、それがない環境では、 Baekmuk フォントをインストールするといいでしょう。
なお、Baekmuk フォントは、漢字部分の字形に誤字があるようですので、 漢字部分は日本語のフォントを使うのが無難でしょう。
IE では、韓国語フォントを Windows Update でインストールするだけで韓国語のページを表示することができます。
しかし、Netscape 4.7 では、 Windows Update でフォントをインストールしたあとに、 自分でフォントの設定をしなければいけません (Netscape 6 は使っていないので知りません、ごめんなさい)。
メニューバーから 編集→設定→表示→フォント、で、 韓国語のフォントを適切なもの(たとえば、Windows Update でフォントを入れた場合は、GulimChe)に指定してください。 また、Arial Unicode MS をインストールした場合は、 Unicode 用のフォントとして Arial Unicode MS を指定してください。