平成 9 年度冬学期「政治II」試験問題

平成10 年2 月 6 日実施
試験時間: 80 分
担当教官: 大森 彌

  1. 次の文章は明治 21 年(1889年)公布の市制・町村制に関する解説書 『市制町村制理由』の一部である。この文章を参考にして、 いわゆる機関委任事務制度の特質と弊害について述べ、 分権改革によるこの制度の廃止の意義について言及しなさい。
    国ハ町村ヲシテ国政ニ関スル事務ニ参与セシムルコトアル可シ
    之ヲ参与セシムルノ法ニアリ
    国政ニ属スル事務ヲ以テ町村ニ委任シ其自治権ヲ以テ之ヲ処弁セシムルモノアリ
    又其事務ヲ町村ニ委任セスシテ直接ニ町村長其他町村ノ吏員ヲ指定シテ之ヲ委任スルモノアリ
    此区別ノ緊要ナル点ハ第一ノ例ニ拠レハ欺ル事件ノ議決モ亦町村会ノ職権ニ帰シ町村長若クハ当該吏員ハ此事件ニ関シ町村会ニ対シテ責任ヲ帯ヒ且常ニ其監視ヲ受クルモノトシ
    第二ノ例ニ拠レハ町村長ハ直接ニ官命ニ依テ事務ニ従事シ町村会ト相関セス
    此事務ニ関スル指揮命令ハ直ニ所属官庁ヨリ之ヲ受ケ特ニ其官庁ニ対シテ責任ヲ帯スルモノトス
    元来甲乙ニ例ヲ比較スルトキハ互ニ得失アリト雖モ今日ノ情況ニ照シ事務ノ挙行ヲ期スルニ付テハ乙法ヲ行フニ如カス

  2. 日本国憲法 41 条、65 条、92 条を引照しつつ、 政党政治と「官」との関係、 地方自治と「官」との関係について論じなさい。

  3. 次の語句について簡潔に(3 行以内で)解説しなさい。
    1. 政策過程 
    2. 正統(当)性
    3. 大部屋主義

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