宇宙科学I(蜂巣)

注意: 筆記用具、時計(計時機能のみ)以外は持ち込み不可。試験時間 90 分。
  1. 宇宙における元素の起源について述べなさい。

  2. パーセク(pc)の意味を説明しなさい。

  3. 水素爆弾も太陽のような星もともに水素 (重水素)の核融合反応で莫大なエネルギーを出す。 しかし、水素爆弾は爆発するのに、星は爆発しない。 その理由を分かりやすく説明しなさい。

  4. 縮退圧について述べ、 それが効く天体について具体例を挙げて説明しなさい。

  5. ブラックホールは、あらゆるものを飲み込むと思われているが、 なぜ、蒸発するのか。 その理由を自分で理解した範囲でよいから、述べよ。

  6. 7 M の星の進化の道筋を下の HR 図を使って、 説明しなさい。A 点から G 点の星の内部構造についても述べること。
    [HR 図]

  7. 太陽の様な星はほぼ球対称とみなせます。 球対称とは密度、温度、圧力などの分布が中心からの距離 r だけの関数としてよいことを意味します。 この様な場合に、 星の内部では重力と圧力勾配が釣り合っているので、
    dP / dr = GMrρ / r2, dMr / dr = 4πr2ρ
    とかけます。ここで、P は圧力、G = 6.67×10-8 dyne cm-2 g-2 は重力定数、Mr は中心からの距離 r の球の内側に入っている質量、ρ は密度を表します。

    太陽のような星は、中心にいく程、 密度が大きくなっていきますが、いま仮に密度が一定だとした場合、 この方程式は簡単に積分できます。星の半径が R、 質量が M、だとした場合に圧力分布を求めなさい。 ただし、星の表面(r = R) で圧力はゼロになるとしてよい。 この時の星の中心圧力を GMR で表しなさい。

    また、状態方程式が P = ρkT / μma であたえられるとした場合に、温度分布を求めなさい。 ここで、T は絶対温度、k = 1.38×10-16 erg K-1 はボルツマン定数、μ は平均分子量 (この場合は 0.76 とせよ)、ma = 1.66×10-24 g は原子質量単位である。 質量 M に太陽の質量(M = 2×1033 g)、R に太陽の半径 (R = 7×1010 cm)を代入し、 中心温度を cgs の単位で求めなさい。 実際の太陽の中心温度は、1 千 6 百万度と見積もられている。 計算値とずれがある場合は、その理由を述べなさい。

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