=============================================== 1999.9.07 発行 =========
極私的 Emacs カスタマイズ紹介マガヂン
Emacs をわたし色に染めて♪
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第 11 回 エイトック的たまご生活 (2) キィ操作編
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※あなたのカスタマイズをぜひ教えてください。一般的なものから、他の人は
絶対にしないような「外道」なものまで、何でも結構です。
※解除の方法は、このメールの末尾をごらんください。
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こんにちは。でるもんた・いいじまです。
たびたび遅配が続いて申し訳ありません。
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☆今回のお題☆
┌───────注意────────────────────────┐
│以下には Wnn 関係の設定方法が書かれていますが、この方法は、そのま │
│までは Emacs 20.x 以降や XEmacs では使えません。Emacs 20.x 以降や │
│XEmacs をご利用の場合は、第24回・第25回をあわせてお読み下さい。 │
└─────────────────────────────────┘
今回は、Wnn でのキー操作の変更です。
ただし、いろいろと長くなりますので、今回はとりあえず
○「Control+英字」の変更
○ファンクションキーの追加
をご紹介します。
実は私としては、いちばん気になる「コンソール上でカーソルキーが
きかない問題」を何とかしたいと思っています。この問題とは、
○X 上の mule では、Wnn でのローマ字カナ入力中にカーソル
キーを押すと、期待通りにカーソルが動いてくれる
○ところが、コンソールから mule を起動すると、カーソルは
動かず、ブザーがなってから 'A'〜'D' の文字が入力される
という問題です。解決の目処は立っているのですが、これは今回では
なく第 13 回でご紹介したいと思います。また、コンソール上でも
ファンクションキーが使えるようにする方法も、第 13 回でご紹介したい
と思います。
【後日訂正】実際には第 14 回です。
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☆Emacs 20 以降や XEmacs をお使いの方へ☆
Emacs 20 以降や XEmacs では、いったん C-\ で Wnn を起動してからで
ないと、「Symbol's value as variable is void: fence-mode-map」など
とエラーになってしまいます。
この対策は、第 24 回で取り上げます。
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☆まずは Control+英字 系統☆
いきなりキーを書き換えます。
基本的な要領としては、第 4 回でやったとおりです。
(define-key fence-mode-map "\C-h" 'fence-backward-delete-char)
(define-key fence-mode-map "\C-d" 'fence-forward-char)
(define-key fence-mode-map "\C-s" 'fence-backward-char)
(define-key fence-mode-map "\C-f" 'fence-end-of-line)
(define-key fence-mode-map "\177" 'fence-delete-char)
(define-key fence-mode-map [delete] 'fence-delete-char)
(define-key fence-mode-map "\C-y" 'fence-kill-line)
(define-key henkan-mode-map "\C-h" 'henkan-quit)
(define-key henkan-mode-map "\C-d" 'henkan-forward-bunsetu)
(define-key henkan-mode-map "\C-e" 'henkan-previous-kouho)
(define-key henkan-mode-map "\C-x" 'henkan-next-kouho)
(define-key henkan-mode-map "\C-s" 'henkan-backward-bunsetu)
(define-key henkan-mode-map "\C-f" 'henkan-last-bunsetu)
まず、fence-mode-map と henkan-mode-map の違いについて説明して
おきます。fence-mode-map は、かな入力時、つまり、画面の左下に
[あ] と出ているときに使われるキーマップです。一方、henkan-mode-
map は、漢字に変換されたあと、つまり、画面の左下に [漢] と出て
いるときに使われるキーマップです。
さて、やっている設定としては、
○C-s、C-d、C-e、C-x でカーソルが動く
○C-a、C-f でカーソルが先頭・末尾に移動する
○C-h はヘルプではなくバックスペース
○デリートキーはカーソルの手前ではなくカーソル位置の
文字を消す
ということです。
まず、カーソル移動についてですが、これは当然、VZ の流儀に倣った
ダイヤモンドカーソルです。なお、fence-、henkan- のどちらにも
C-a を書いていないのは、もともと C-a にはカーソルを冒頭に戻す
機能が割り当てられていたからです。また、C-e、C-x(上下移動)は、
fence- では意味がないので書いていません。
C-h については、第 2 回で説明した通りです。こうしないと、
コンソール上では BS キーがヘルプ機能になってしまいます。
最後にデリートキーですが、ここでは "\177" と [delete] の両方に
書いています。通常は "\177" だけで大丈夫なのですが、fence- に
限っては、デリートキーに対しては、コンソール上では "\177" の、
X 上では [delete] の設定が有効になるようで、どちらか一方を省略
することはできません。
【後日補足】(define-key fence-mode-map [delete] nil) とすると、
X 上でも "\177" の設定が有効になります。詳細は第 20
回で。
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☆ファンクションキー (1)☆
つづいてはファンクションキーです。ATOK ユーザーならこう書きたく
なりますよね↓
(define-key fence-mode-map [f6] 'fence-hiragana)
(define-key fence-mode-map [f7] 'fence-katakana)
(define-key henkan-mode-map [f6] 'henkan-hiragana)
(define-key henkan-mode-map [f7] 'henkan-katakana)
(define-key fence-mode-map [f9] 'fence-zenkaku)
さらに、こういうものもあります。
(require 'jisx0201) ;jisx0201.el が読み込まれていなければ
;読み込む
(define-key fence-mode-map [f8] 'fence-hankaku-katakana)
ただし、この fence-hankaku-katakana はカナ文字しか半角化して
くれないので、英数字も半角化してほしい場合は次のようにします。
(define-key fence-mode-map [f8] 'my-fence-hankaku-katakana)
(defun my-fence-hankaku-katakana ()
(interactive)
(require 'jisx0201)
(fence-hankaku) ; 英数字を半角化
(fence-hankaku-katakana) ; カタカナを半角化
)
【補足】(1) (require 'jisx0201) は、fence-hankaku-katakana が一度
でも実行される前ならいつ実行してもいいので、my-fence-
hankaku-katakana の中にいれました。こうすると、必要に
なってはじめて jisx0201.el が呼び出されるようになります。
(2)jisx0201.el を読み込んだあとでは、fence-hiragana、
fence-katakana コマンドは半角カタカナを全角カタカナ・
ひらがなに変換してくれます。jisx0201.el を読み込ま
なければ、これらのコマンドは全角のひらがな←→カタカナ
の変換のみで、もし何らかの方法で半角カタカナを入力して
いた場合、それは変化しません。
(3)my-fence-hankaku-katakana を実行したあとに fence-hiragana、
fence-katakana を実行しても、半角になった英数字は全角
には戻りません。戻したい場合は、fence-zenkaku を使って
ください。
(4)残念ながら henkan-hankaku-katakana はないようです。
【後日補足】じつは、Wnn はあっても jisx0201.el のない環境という
ものが存在します。そういう時の対策は第 xx 回へ。
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☆ファンクションキー (2)☆
ファンクションキーはまだあります。
(global-set-key [(control f7)] 'toroku-region)
こちらは単語登録ですが、fence-mode-map に指定するのではなく、
global-set-key を使っています。これは、fence-mode-map が有効なの
は何か文字を入力したあと(フェンスの中に文字がある状態)だけ
だからです。
(global-set-key [f10] 'special-symbol-input)
こちらは記号入力です。ただし、f10 キーは初期状態では twm-menubar
コマンド、つまり、メニューバーにあるコマンドをマウスなしで実行
したいときに使うコマンドになっていて、こちらが使えなくなると不便
だという場合もあるので、後日、
○[あ]を表示している状態ならば、special-symbol-input
○[あ]を表示していない状態ならば、twm-menubar
になるよう工夫したいと思います。
【余談】twm-menubar は Windows 風に Meta+Space に割り当てるという
方法もあります(^^;)
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☆M-x をどうするか☆
さて、もうひとつ問題があります。それは M-x をどうするかです。
fence-mode-map、henkan-mode-map では、M-x で任意のコマンドを
入力するということができません。ということで、これを何とか
しましょう。
(define-key fence-mode-map "\M-x" 'execute-extended-command)
(define-key henkan-mode-map "\M-x" 'execute-extended-command)
【後日補足】ここは、わざわざ書かなくても、
(define-key fence-mode-map "\M-x" nil)
(define-key henkan-mode-map "\M-x" nil)
と書けば、{fence,henkan}-mode-map の内容は無視されて
global keymap の設定が使われるようになります。
ただし、ここで問題が起こります。/usr/local/share/emacs/19.34/lisp/
jisx0201.el(実際の場所は各人の環境によって異なります)の末尾に、
(define-key fence-mode-map "\ex" 'fence-hankaku-katakana)
と書いてあるのです。これでは、せっかく上のように M-x を定義しても、
(require 'jisx0201) が実行された時点で無効になってしまいます。
そこで次のようにしましょう。
(require 'jisx0201)
(define-key fence-mode-map "\M-x" 'execute-extended-command)
(define-key henkan-mode-map "\M-x" 'execute-extended-command)
つまり、先に jisx0201.el を読み込んでしまってから、M-x を再定義
するのです。こうすれば問題ありません。
【補足】上で定義した my-fence-hankaku-katakana と併用する場合、
(defun my-fence-hankaku-katakana ...) の中の (require
'jisx0201) は外してかまいません。(require 'jisx0201)
は 1 回だけ実行されればそれで十分だからです。
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☆次回予告☆
次回は、「第 12 回 フォント設定とマルチリンガル、プラスアルファ」
です。
実は、ちょっとした理由で、韓国語の混じった文章を書くことになり
ました。そのとき、mule のデフォルトの韓国語フォントは明朝体だった
のですが、これが 16 ドットではものすごく読みづらいのです。
(韓国人ならば読めるのかも知れませんが、それでも誤植訂正には無理
でしょう。)そこで、フォントの設定を変更して、韓国語はゴシック体
で表示することにしました。(ちなみに、Emacs 20 では韓国語のデフォ
ルトフォントはゴシックになっています。)
そのほか、うっかり C-\ と間違えて C-] を押してしまったときに
起こる文字化けの対策、Mule 上の文面だけを画像ファイルに落とす
際のテクニックなどを紹介したいと思います。
それではまた♪
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2016/03/10 15:09 JST
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