生命科学基礎1(馬淵) 1年理科II・III、14・15組(1998.9.7)
90分[ノート、参考書持ち込み不可]
解答用紙(両面、1枚)

1)アミノとタンパク質の構造について以下の問に答えよ。

a.アミノ酸はその側鎖の違いによっていくつかの性質の異なるグループに分類される。アスパラギン酸、リジン、アラニンはそれぞれどのようなアミノ酸か。

b.タンパク質は生体中で水分子に囲まれてそれぞれの3次元構造をとっている。上記のアミノ酸は普通それぞれ、たんぱく質分子の立体構造上どのような部分に位置すると考えられるか?

c.たんぱく質のN末端、C末端はたんぱく質分子の立体構造上どのような部分に位置すると考えられるか?その理由も述べよ。

d.あるタンパク質の遺伝子に異変が起き、アスパラギン酸の一つがアラニンに置き換わって、このタンパク質の機能が失われてしまったととする。機能が失われた原因を2つ述べよ。

e.真核生物のDNAはヒストンというタンパク質を結合し、クロマチンと呼ばれる構造を作っている。ヒストンのアミノ酸組成に関する特徴を述べよ。

2)生物はその代謝系でフィードバック調節と呼ばれる手段を使って生産物の生産量を調節している。これについて以下の問に答えよ。

a.フィードバック調節とは一般的にどのようなものかを説明せよ。

b.その例を1つあげ、酵素の名前、調節因子(エフェクター)の名前(複数でも良い)、調節の意義について述べよ。

c.フィードバック調節を行う酵素の反応速度はミカエリス・メンテン式では表せない。このような酵素は何と呼ばれるか。

d.ミカエリス・メンテン型の酵素とcで答えた酵素について基質濃度と反応速度の関係をグラフで表せ。

3)細胞はすべての遺伝子を常に同じ数だけ発現しているわけではなく、環境や発生段階に応じて必要な遺伝子を発現する仕組を持っている。大腸菌について解析された例をあげ、その制御機構を解説せよ。