惑星地球科学 I (担当教官:小河正基)

ノート・電卓持ち込み可、参考書持ち込み不可。
答案用紙:両面1枚

(1) プレート・テクトニクスについて以下の問いに答えよ。

(1-1) 現在の地球でプレート・テクトニクスが起こっていると考える根拠となっている観測事実は何か、箇条書きにして列挙せよ。

(1-2) 地球では太古代・原生代の昔からプレート・テクトニクスが起こっていたと考えられている。その根拠となっている観測事実と、なぜその観測事実がプレート・テクトニクスが起こっていたことを示す証拠となるのかを述べよ。

(2) 地球型惑星の化学組成について以下の問いに答えよ。

(2-1) 全地球の平均化学組成は大まかには、太陽大気の組成とも、 また CI コンドライトと呼ばれる隕石の組成ともよく似ていると考えられている。 このように考える理由は何か。 また、全地球の組成と太陽大気の組成は、細かく見るとどのように異なっているか、 なぜそのように異なるのかという理由も付けて述べよ。

(2-2) 水星・金星・地球・火星と、太陽から遠ざかっていくにしたがって、 その惑星全体の平均組成はどのように変化していくと考えられるか、 理由を付けて述べよ。 (この問題では、観測事実として何が分かっているかは気にしなくてよい。 太陽系形成過程からどのようなことが推測されるかを述べよ。 地球以外の惑星の平均化学組成は未だによく分かっていない。)

(2-3) 地球の上部マントルの化学組成は、全マントルの平均組成からは ずれているのではないかといわれている。 (a) どのようにずれている可能性があるかを、その根拠とともにのべよ。 (b) また、そのずれが本当のことだとすると、そのようなずれは、 地球の 45.5 億年の歴史の中で、どのような「事件」あるいは地質変動の結果 起こったと考えられるかのべよ。 (b)では、必ずしも講義内容にこだわらなくともよい。 合理的な空想をめぐらした答案も歓迎する。

(3) 地球のマントルは、現在 1 億年につきおよそ 10℃ の割合で冷却している。 マントルの冷却により放出される熱量は、現在地球から宇宙空間に放出される熱量の 何パーセントを占めているか。 ただし、現在地球から宇宙空間に放出される熱量は地表面の単位面積当たり 80 mW/m2、マントルの質量は 4×1024 kg、 マントルを構成する岩石の平均の比熱は 1000 J/kg/deg、 1 年は 3×107 秒 である。


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