振動・波動 試験問題

教科書ノート持ち込み不可・答案用紙(両面用 1 枚)・計算用紙(1 枚) (90 分)

問題

長さ a のふり子に質量 m の質点が繋がり、 その下にさらに同じふり子がぶらさがっている。 この 2 重ふり子について以下の問いに答えなさい。
  1. 鉛直下向き(重力加速度を g)に垂直方向の変位を、 質点 1 と 2(編注: 1 が上の質点、2 が下の質点)に対してそれぞれ uv としたとき、 ヒモがたるまないように運動させるとき、 運動方程式を書き下しなさい。ただし変位 uva に対して十分小さいので、 運動は常に鉛直方向に垂直と考える。
  2. 上で X = (u, v) として、 運動方程式は
    d2X / dt 2 = TX……(1)
    とみることができる。但し T は 2×2 の行列。 このとき、λY=TY という形で固有値 λ と固有ベクトルを求めてください。 また、この固有ベクトルの方向を (u, v) 平面上に書き表してください。
  3. 上で求めた固有ベクトルと固有関数を使って、もとの運動方程式 (1) を解くことができます。 このとき運動の基準振動数と基準モードを求め、 どういう運動が基準モードか図示してください。
  4. さきに求めた基準モードを使って、初期値
    du (0)/dt = dv (0)/dt = 0 ……(2)
    u (0)=u0, v (0)=v0 ……(3)
    のときに、u (t ) を書き下してください。
  5. u(t) をフーリエ変換して、 フーリエ級数を求めてください。ただし、
    x(t) = (1/2π) ∫-∞+∞ X (ω) eiωt dω ……(4)
    X (ω) = ∫-∞+∞ x(t) e-iωt dt ……(5)
    とします。必要ならば、デルタ関数 δ(t) をもちいなさい。デルタ関数とは、
    δ(t) = (1/2π) ∫-∞+∞ eiωt dω ……(6)
    で定義されるとする。性質として任意の関数 f (t) に対し、∫-∞+∞ f (t) δ(t -a) dt = f (a) がある。
  6. 自己相関関数 C (τ) と パワースペクトラム密度関数 P (ω) を求め、図示してください。 但し、自己相関関数 C (τ) は
    C (τ) = limT→∞ (1/2T ) ∫-T+T x(t +T )x(t) dt ……(7)
    パワースペクトラム密度関数は次の Winer-Khintchine の公式より求めて下さい。
    C (τ) = (1/2π) ∫-∞+∞ P (ω) eiωτ dω ……(8)
    P (ω) = ∫-∞+∞ C (τ) e-iωτ dτ ……(5)
  7. 白色ノイズは P (ω) = ε02 / 2π で特徴づけられます。 白色ノイズを言葉で説明するとどんなノイズですか。 また自己相関関数はどうなりますか、図示してください。
  8. いま白色ノイズが 2 重ふり子に加わって運動しているとします。 このときパワースペクトラム関数はどうなりますか。 図示してください。運動はどんな感じになりますか。

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