「力学」試験問題(A コース)

1997. 9. 5 市村宗武

  1. 質量の無視できるバネ定数 k のバネを鉛直に吊るし、 その下端に質量 m の質点を吊す。
    1. 質点が静止し続けているときのバネの伸び l はいくらか。 重力加速度を g とする。
    2. この平衡点からさらに a だけ伸ばして静かに手を離した。
      平衡点からの変位を x(下向きを正)として、 x に対する運動方程式を書け。
      これを解いて x を時間 t の関数で表せ。 抵抗は無視できるものとする。
    3. バネの位置のエネルギー、重力の位置エネルギー、 全位置エネルギーを xl で表せ。 但し、バネの伸びがゼロのときをエネルギーの基準点とせよ。 (上記各エネルギーがゼロ)

  2. 氷の上に長さ l の一様な角材(質量 M)が置いてある。 その上を人(質量 m)が端から端まで歩いた。 氷と角材の間の摩擦はないものとする。
    1. 歩き始める前、角材と人を合わせた系の重心は、 角材の中心からどちらにどれだけずれているか。
    2. 歩き終えたとき、角材の中心は氷に対してどれだけ動いたか。
    3. 人は氷に対してどれだけ動いたか。
    4. 歩いている途中、人と角材の速度の比は幾らか。

  3. 滑らかな水平面上の一点 O に長さ l の糸の一端を結び、 他端に質量 m の質点を付け、 角速度 ω0 で等速円運動させた。
    1. 質点の、点 O のまわりの角運動量は幾らか。

      この状況で、点 O から距離 (2/3)l のところに釘を刺したら、 糸はそれに巻き付き釘のまわりに円運動を始めた。 糸の質量、太さ、釘の質量は無視できるものとする。 (無視できる範囲で考える。)

    2. 釘に巻き付く直前の質点の、釘のまわりの角運動量は幾らか。
    3. 釘に巻き付いた以後の釘のまわりの運動量は、 問 2 の値と変わらない。理由を述べよ。
    4. 釘のまわりの円運動の角速度を求めよ。

  4. 長さ l、質量 M の棒がある。 それを、重心から距離 d のところを通り、 棒に垂直で水平な軸の周りに微小振動させた。
    1. 重心を通り棒に垂直な軸の周りの慣性モーメントは幾らか。
    2. 問題の固定軸の周りの慣性モーメントは幾らか。
    3. この振り子の振動数は幾らか。
    4. 振動数を最大とする d は幾らか。

試験時間: 90 分、答案用紙(両面): 1 枚、計算用紙: 1枚。


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